家族も巻き込んだ私の借入思い出話 その2

母と一緒に金融会社に赴いた時の思い出話の続きです。
そこのお店は、私個人も借入がありました。
比較的、支払の遅れがなかった事もあり、
「今日は母が新規で融資を受けに来ました」と話すと、
普通に受け入れてくれました。

母は少し、緊張していたようでした。

ここのお店の印象としては、窓口は女の人とは限らず、
カチッとした背広を着た強面のお兄さんがいたり、
催促の電話を受け付けカウンターのすぐそばで行っていたりと、
大手の消費者金融会社では見られない光景がありました。

それでも、お金に困っている旨を借り手側が正直に事細かに実情を話すと
いくらかの融資を積極的にしてくれるような印象をもっていたのも事実です。

親子二人並んで、契約に向けての書類書きなどが順調に進み、
あとは審査を待つばかりとなりました。

母は、今まで金融公庫や銀行での借入を一度も滞納したことが無かったので、
審査が通らない無いとは夢にも思っていなかったようです。
間違いなく借りれるものだと。
結果は、ダメでした。

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理由を尋ねると、「お母様は、一度だけ銀行からの借り入れを
滞納したことがあるからです」とのことでした。
母は、その言葉にその場で猛反発しました。
「そんなはずはない!
きちんと約束通りに返済しています!」と。
その態度に、店側のお兄さんは大声で母を怒鳴りつけました。
審査の結果が書いてあるロール紙を母の目の前に出し、
「ここに立派な証拠があるのに、
いまさら嘘をつくなよ!馬鹿野郎!」と言われました。

その勢いに、めったに人前で泣かない母の目から
涙がこぼれだしました。
その後、私は母をなだめ、母の代わりに店側に謝罪しました。
最終的には母名義の融資を受けられることになりました。
一度は返済を滞ったが、今後は約束通り返済してもらえるだろうと
認めてもらえたからです。
しかし、元々は私の負債が原因で母は融資を受ける事になったことが、
私の胸をグサリと突き刺しました。

今も忘れられない、そして、もう私は返せない借金を絶対にしてはいけない、
母をこんな目にあわせてはいけないと気づいた苦い思い出です。


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